新旧の山口県庁舎

2010年11月11日 05:58

このBlogでは 全国各県庁舎展望スペースからの風景などを
(佐賀、静岡、栃木、香川、沖縄)過去に何回かお届けしました。その一方で
“灯台もと暗し”という感じで、我が山口の県庁がなおざりになっていました。

生憎 取材日が土曜日だったので 
県庁展望スペースからの風景(市街地の展望など)はお届け出来ませんが 
国指定重要文化財である旧山口県庁舎を中心に
今日は、新旧の山口県庁を皆さんにご覧戴こうと思います。



旧山口県庁舎
明治の世となり 廃藩置県を機に 長門国と周防国が幾つかの県に分立したのち
現在の山口県となり県庁が置かれたのは明治4年。
明治21年に市制施行制度が公布された後も 山口は市制を施行するのが遅く
埼玉の当時の浦和と同じくらい 
県庁所在地であるにも関わらず 最後まで「町」だったのです。



そんな中で 旧山口県庁舎は大正2年から5年にかけて建造されました。
大正時代を代表する煉瓦造りの洋風建築で 後期ルネサンス様式を基調としながらも
日本・東洋趣味も見られるなど 独創的なデザインが施されています。
建築当初はさぞかし 田舎町山口に垢抜けた建物が出来たと評判になったのでは...。

玄関を中心に 建物本体を両側に翼のように張り出した左右対称形
シンプルで優美な外観と相俟って 安定感を感じさせます。
玄関口の車寄せはスロープになっていますが 自動車の時代が到来するまでは
馬車でこの建物に乗り付けていたのではないかと思います。



建物の設計は 妻木頼黄氏と 彼のスタッフだった武田五一氏、大熊喜邦氏です。
大蔵省の臨時建設部長であった妻木頼黄氏は 
明治後期に国会議事堂建設プランを指揮したほどの人。
その時の国会議事堂プランは あいにくお流れとなったようですが 
“幻の国会議事堂”で実現できなかった熱き夢や情熱を 
山口の県庁舎で 少しは結実できたのではないでしょうか.....。



知事室
天井の曲面 シャンデリア、梁部の皿飾りなど
古典的なモチーフの意匠が至る所に見られます



マントルピース インテリア、家具類の一つ一つが
部屋の雰囲気とよく調和しており 渋い!
カーテン等も当時のままに残っています。
外壁も美しい壁面彫刻が散見されます。



玄関ホールの梁の部分には 紋章のような連続模様で
これが東洋的な部分を感じさせます。



正庁会議室 
威厳を感じさせる 最も格式の高い部屋



彫刻的な美しさを感じる 正面玄関側の列柱
西洋のどの建築にもない独創的なデザインで 
彫刻的な美しさを湛えています。
柱1本でも観賞に耐え得るほど 念入りにデザインされています。



半円形の飾り窓と後ろの突起形の装飾物は西洋的
日本や欧米の最新デザインを大胆に採用し 
細部の独創的な意匠は 工芸品のように美しいですね。



外観だけでなく 県政の歴史を伝える行政資料も多く展示されています。
山口県の県民性は“説明好き”(笑)。
(例えば川棚の瓦そばなど 県内何処へ行っても由来を書いた看板があるし)
この旧県庁舎内も それぞれの説明板が至る所に設置されています。





山口県の特産品 工芸品の紹介コーナーもあります


県庁舎と県議会棟(これについては後日紹介)を 
文化財として一体現存させているケースも全国に例が無く 
大正時代を代表する素晴らしい建造物です。



普通は、新庁舎が出来ると 旧庁舎は取り壊しの憂き目に遭う事が多いのですが
(私の知る限り栃木県は旧県庁舎を昭和館として残していた)
山口県はこの誇るべき建物の保存と活用に努め
昭和59年12月には 国の重要文化財に指定されました。
昭和60年11月には この旧庁舎を「山口県政資料館」として再生し
貴重な文化遺産と山口県政の歩みを 後世に伝え続けています。 



旧山口県庁舎は 観光地としても一見の価値があり
山口市内定期観光バスはここに立寄るようになっています。



現在の山口県庁舎
旧県庁舎は老朽化も進み手狭となったので建て替えられ
新県庁舎が 昭和59年6月 西側の奥に完成しました。
平成19年までは山口県下では最も高い建物でした。左側は山口県警本部です。
知事をトップとする知事部局内に8部2局を有し、各部局のもとに59課12室を配します。 



この場所は 元々旧山口藩庁が置かれていた場所ですが 
敷地内東側には 香山から流れる自然の滝もあるなど 環境の良さは最高です。
欲を言えば 山口県産材を使った意匠を散りばめたり
環境との共生、リサイクル&省資源に配慮したり
周囲の公園に 山口県の全市町村木などを植栽しても...と思いました。



県の人口が145万(福岡市や京都市と同程度)、面積が6100km2
県の年間予算は大体7,000億円という規模。
全国的に較べても 分相応な(笑)建物ですかね?!。

ちなみに参考までに 他県の県庁舎を写真でご紹介!

  沖縄県庁 


  佐賀県庁 左は新県庁舎で右は旧県庁舎 


  栃木県庁 左は新県庁舎で右は旧県庁舎 


 
  宮崎県庁 そして東国原知事

誰が見ても山口県は“田舎県”ではありますが 個性豊かで頑張っている県です。 
山口に行かれる機会があれば 県政の中枢にも近づいてみて下さい。


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